精とは、東洋医学のひとつの概念です。ですから、からだを切っても開いてもみることはできません。精には、先天の精と後天の精があります。先天とは、うまれたとき両親からそれぞれ50%づつ受け継いだ精のことで、丹田に宿る元の気つまり「元気」のことであり「精力」です。後天とは、自分自身で食べ物や呼吸によって得られる精のこと。先天の精は、増えることがありません。生まれたときが100だとすると、それを使い果たしたときが死です。逆に後天は、飲食呼吸によって生きるごとに増強してゆきます。では、長生きするためにはどうすればよいでしょうか?ひとつに、先天の精をできるだけつかわないことです。それは、例えるならば、炎をあげて薪を燃焼させるのではなく、炭火のようにしんしんと熱を発するようにです。ただ火を消してはいけません、冷えて死んでしまいます。いつでも空気をおくると炎を起こせる状態をいつも保っていくのです。血気あふれる若いころに激しいスポーツや恋愛で精気をつかいすぎてしまうと短命になってしまうというのです。もひとつは、後天の精である飲食呼吸をしっかりと得ることです。暴飲暴食、偏食などなどとても大切であるのはこのためです。では、太極拳では、この精の概念と密接な関係があります。呼吸ごとに丹田で気をおくり精を満たしてゆきます。老化にともない筋肉や神経は弱ってゆくのが自然です。されど、年を重ねるごとに精は満たされゆきます。80歳をすぎても元気な太極拳愛好家がたくさんおられます。ただ、一日で成し得ることではなく、長年日々の修練が絶対に必要です。こうしていつまでも老いず若く元気でいられるように中国では古代より気功や太極拳をされ続けているのです。